フォントが手元にあるとき
前回はフォントが足りないときに何が起きるかを書きました。Publisherは黙って代わりのフォントを選び、文字の幅がすべて変わり、ページが勝手に組み直されます。
今回はその話のもう半分です。実のところ、フォントが足りていないケースはそれほど多くありません。多くはごく普通のWindowsの書体で、文書がそれを前提にするのは当然です。問題はこちら側にありました。私たちのコンバーターがその書体を認識できず、代わりのフォントで文字幅を測っていたので、結局ページはずれていたのです。
そこが今月かなり良くなりました。
認識できるかどうかが仕事のほとんど
私たちのコンバーターは、実際のPublisher文書が求める書体をこれまでよりずっと幅広く認識するようになりました。そして、似た書体で近似するのではなく、その書体自身の文字幅と行の高さで組みます。
細かい違いに聞こえますが、そうではありません。文字幅は1行に何語入るかを決めます。行の高さは行と行の間隔を決めます。両方を本来の書体から取れば、段落はPublisherが折り返した場所で折り返し、段はPublisherが終えた場所で終わり、その下のページもずれません。代替フォントから取ると、1行目より下はすべて、1行ごとに少しずつ狂っていきます。
つまり今回の成果は「うまく推測できるようになった」ではありません。「推測しなければならない場面がぐっと減った」です。
1つのファイル、前と後
公開当日に実際の文書で確かめました。教会のポストカード、ごく普通の本文、変わったところは何もありません。
以前の出力は、その本文を太字イタリックで組んでいました。少し太いという程度ではなく、最初から最後まで太字イタリックです。Publisherでは普通の字面で組まれるカードなのに、です。スタイルの不具合のように見えて、そうではありませんでした。カードが本当に求めている書体をコンバーターが認識した途端、本文は正しいウェイトの普通の字面で出力され、Publisher自身のPDF書き出しと一致しました。
正直な訂正
この計測の途中で、私たちが問題を大きく見積もっていたことがわかりました。
社内の集計では、書体の取り違えが難しい層のファイルで差の約18パーセントを説明するとされていました。よく調べると、計測ツールが1文書につき1書体しか記録しておらず、その文書が使うすべての書体を見ていませんでした。ツールを直すと、実際の数字は9パーセント程度まで下がりました。それでも取り組む価値はありましたし、実際に取り組みました。ただ、自分たちで言っていた規模の半分でしたし、社内に出した数字は間違っていました。
黙って先へ進むより、ここで訂正しておきます。
そのフォントを持っている場合
先月のアドバイスは変わりません。PDF書き出しには解決済みの書体が埋め込まれるので、PDFはどこへ送っても大丈夫です。WordとIDMLの場合は、まずご自分の環境にフォントをインストールし、そのうえでテキストに元のフォント名を設定し直してください。WordとInDesignが本来の書体に結び直し、ページは設計どおりに流れます。
フォントの違いがページ全体を動かす理由については、行がそこで折り返す理由もどうぞ。
珍しい書体を使ったファイルがありますか。無料でプレビューできます。